間歇需要特性とは

間歇型需要特性とは、離散型需要特性とも言われ、以下のような特徴があります。
     ・需要が突発的に発生する
     ・需要実績がゼロの割合が多い
     ・周期性や季節性のような規則性がない
     ・比較的に需要数量が小さい
サービスパーツ(修理部品や補修部品などと呼ばれます)や高額商品などの需要特性です。

間歇需要予測の研究

これまでの統計学的予測手法では、需要予測の分布を釣鐘状分布曲線(正規分布およびポアソン分布など)に近似するという前提のため、間歇型(離散型)の需要特性を持つアイテムについては精度の高い予測が得られませんでした。
そこで、米国科学財団(U.S. National Science Foundation)がスポンサーとなり、スマートソフトウエア社が中心となって、間歇型(離散型)の需要特性を持つアイテムついての需要予測手法の研究が行なわれました。

米国特許の間歇需要の新しい予測手法の登場

スマートソフトウエア社の研究により、
モンテカルロ法の一つである統計的推論の手法、ブートストラップ法による新しい間歇需要予測が誕生しました。
この手法は需要実績情報について、数多くのシミュレーションを行い、(左の図では、25,000回)将来の需要予測について任意の期間の合計需要のシナリオを分析し、精度の高い予測値を導き出します。
この予測手法は、米国特許を得ています。

間歇予測手法の詳細

需要予測システム SmartForecasts(スマートフォーキャスト)には、モンテカルロ法の一つである統計的推論手法であるブートストラップ法が間歇予測手法として搭載されています。
この間歇予測手法では、下図のような需要特性を持つ間歇型時系列実績データについて、将来の一定期間の合計需要を予測します。

上図の例では過去54週の週ごとの実績データです。この時系列データにより、例えば今後4週間に発生する合計需要を予測します。
ブートスラップ法は過去のデータから予測期間に相当する(今回の例では4週間)期間の実績標本を抽出し、その抽出を数多く繰り返します。(例えば50,000回)、この数多く繰り返した仮説標本分布は、本来の実績の確率分布に近似になっているという理論です。
この間歇予測機能では、ブートストラッピングにより抽出された、Non Zero データに対してその値の前後の「Jittering(ゆらぎ)」に相当する値に置き換えるという機能を取り入れています。Non Zero データについて「Jittering(ゆらぎ)」は標準正規分布に基づくと仮定し、
JITTERED = 1 + INT{X* + Z √ X*}
IF JITTERED ≦ 0, THEN JITTERED = X*
X* は、ブートストラッピングにより抽出された Non Zero 値
Z は、標準正規分布表からランダムに採用された標準化変量値
JITTERED が “ゆらぎ”の値
で計算されます。
その結果の確率分布が下図です。

横軸が指定した予測期間(今回の例では4週間)の需要量であり、縦軸が確率である。例えば50,000回行ったシミュレーションにおいて約19,000回の確立でZeroであったということを示している。数分布表の確立合計が50,000ということになります。
結果としての需要予測値は、期待予測値が4、サービス率90%に相当する予測値が11、安全在庫量が7となります。