時系列分析の概要

時系列データには
①傾向変動(Trend)
②循環変動(周期変動)(Cyclical fluctuations)
③季節変動(Seasonal variations)
④不規則変動(Irregular variations)
⑤離散型変動(間歇型変動)(Intermittent variations)
の変動特性が含まれます。
しがって、 時系列分析においては、時系列データにどのような変動特性が存在するかを分析することが重要となります。

傾向変動は、 趨勢変動ともいい、上昇の傾向にあるか、横ばいの状態にあるか、あるいは下降の方向にあるのかといった変動です。循環(周期)変動、季節変動、および不規則変動に含まれ、大局的な変動を示します。この特性を分析する統計手法には、移動平均法があります。

循環変動(周期変動)は、 一定の周期的に繰り返される上下の変動が循環変動です。時系列データから傾向変動と後で述べる季節変動および不規則変動を除去して抽出されます。循環変動(周期変動)の特性を持つデータの予測に使用される統計手法は、指数平滑法があります。指数平滑法は比較的最近(1959年 R.G.Brown)開発されました。簡便であるため、需要予測システムに組み込まれていることが多いです。一般的に「ブラウン流指数平滑法」とも呼ばれています。

季節変動は、 一年を周期とする規則的な変動が季節変動です。四季の季節的な変動のみではなく、半年や四半期などの繰り返される変動も季節変動として考えられます。季節変動の特性を持つデータの予測に使用される統計手法に「ウィンター流指数平滑法」があります。ブラウン流指数平滑法が季節変動などの周期変動を持つ需要パターンの予測に対して問題があることに着目し、ウィンター(P.R.Winters)が季節変動に対処できるように季節変動指数を導入した指数平滑法を開発しました。季節変動の需要予測を行う場合には、ウィンター流指数平滑法が組み込まれている需要予測システムが必要となります。

不規則変動は、循環変動(周期変動)や季節変動のような特性がなく、偶然に発生する変動です。このような特性を分析することは難しく、移動平均法や指数平滑法では、予測の誤差が大きくなります。次に述べる離散型変動(間歇型変動)の特性を持つデータの予測に使用される統計手法の使用が適切な場合があります。

離散型変動(間歇型変動) は、不規則変動が高頻度の需要特性であるのに対して、 離散型変動(間歇型変動) は、低頻度の需要特性を持ちます。判りやすくいいますと、時系列実績において「時々需要が発生する」という特性であり、最小値はゼロとなります。 離散型変動(間歇型変動) の需要予測および、不規則変動の需要予測を行う場合、この変動の予測に対応できる統計手法をもつ需要予測システムが必要となります。